2012年8月15日、靖国神社に行ってきました。
靖国神社は、明治時代に作られ、日清、日露、太平洋戦争でなくなった方を祭った神社です。
亡くなった方すべてを英霊、つまり神様として祭っているので、東条ら戦争責任を取った人たちも祭られており、政治家が参拝する事に中国などから反発が出る事で有名です。
終戦記念日の靖国神社は普段の落ち着いた姿とは変わり、様々な主義主張を持つ人が集まり、騒ぎになるそうです
そういったニュースを見ていて、せっかく東京にいるのだから生で見てみたい、というほとんど野次馬根性で終戦記念日の靖国神社を見に行く事にしました。
本来なら玉音放送された正午に到着したかったのですが、起きるのが遅く、九段下駅に到着したのが12時40分でした。
九段下駅はお盆休みにも関わらず多くの人がいました。その多くが参拝を終え、これから帰宅らしく、タイミングが遅くなったなぁと反省しつつ、靖国神社を目指します。
九段下駅を出ると、ビラを配っている団体が多くいました。
竹島、右翼、ウイグルの人権問題、新しい教科書、パチンコ反対、街宣車も何台か。
たしかに街頭演説をしている人もいましたが、正直もっと紛糾しているものかと思っていたので、騒がしさという面ではごくごく常識の範囲内という印象を受けました。
そういった団体は少数で、大半は参拝に来ている一般の方です。個人で来ている人は真面目そうな人が多いなという印象です。グループで来ている若い人は何か癖のありそうな人が多いなと思いました。
立派な鳥居をくぐり、参道を進みます。参拝するためにはものすごい行列に並ばなければいけないようです。自分は手と口を清めてから、横を通り過ぎ、垣根の横から、手を合わせる事で参拝を済ませました。
そのうち、海軍の白い軍服、水兵服を来た90、80近いお爺さんの集団が行進を始めました。
旭日旗を先頭の人が持ち、二列目の人がラッパを吹きます。
「御霊に敬礼!」
お爺さんたちはとてもやりきった顔をしてました。
僕は「あぁ、これは青春なんだな」と思いました。
90近くのお爺さんたちにとって、大変な経験もあったであろうけれど、栄光の帝国海軍の一員だったあの頃は青春の思い出で、戦友とそれを共有しているようでした。
自分の祖父は、もう亡くなったのですが、陸軍で、ミャンマーのインパール作戦に従事し、本当に辛い体験をしたらしく、ほとんど戦争について語りたがりませんでした。(母から又聞きで戦争の話を聞いたりしましたが)祖父は戦争から帰ってきて、諦観に似た精神状態になったようです。つまり、この命はたまたま拾ったもので、おまけの人生なんだ、そのような悟りのような境地に居たのだと思います。
そんな祖父の姿を見ている自分からすると、軍にいた頃を青春として捉えている人がいることに驚きました。
当たり前のことですが、軍に対する思い出も人それぞれなんだろうな、とそのようなことを感じた終戦記念日でした。