8月、母からその一報を聞いた。
駒屋が閉店するというのだ。
駒屋とは、浜松市にある昔ながらの中華料理屋で地元の人から愛される名店である。
自分は小学生の頃から家族でお世話になっており、駒屋の炒飯とタンメンは自分の好きな料理ベスト1,2を常に争っている。
そんな駒屋が閉店すると聞き、僕は空虚な気持ちになってしまった。
あって当たり前と思っていたものが、とても大事なものが、突然失われる瞬間の喪失感に僕は耐えきれなかった。
「マジかよー、それはつらいわー」
ベットに倒れ、駒屋の料理が食べられないことを想像した。辛すぎる現実をすぐに受け止める事ができなかった。
幸い、同窓会が浜松で開催されるため帰省の予定があった。それに合わせて、駒屋に行こうと決めた。気持ちとしては、同窓会より駒屋に行くことが重要であった。
帰省当日、新幹線に揺られながら、駒屋の思い出に浸る。
小学生の頃、休日になると、父親の運転する車で駒屋に行った。
僕はタンメンか炒飯、どちらを注文するか毎回悩んでいた。父親が炒飯を注文する場合、父親から炒飯をもらえるので、タンメンにすればよかった。しかし父親は野菜炒め定食を頼んだ場合、タンメンか炒飯か、両方食べたいがどちらかを選ばなければいけない。本当に悩みながら注文していた。
少し成長し、胃袋が大きくなると、両方頼むようになった。大人になったような気がした瞬間だった。
駒屋の炒飯が美味しすぎて、母親は炒飯を作らなくなった。
「おふくろの味は?」と聞かれると「駒屋の炒飯!」と答えるのが我が家のお約束だった。
駒屋の炒飯は、中華料理屋の炒飯の完成形で、それ以降どんな中華料理屋で食べる炒飯も駒屋には適わなかった。
僕にとっての最後の駒屋は、13時ころに到着した。
タンメンと餃子を注文し、炒飯はお持ち帰りをお願いした。
美味い。もう僕の舌は、駒屋の味がベストだとインプットされているのだ。
野菜の甘み、豚のうまみ、程よい塩加減、全体を包む旨み、最高だ。
駒屋の料理は、いつも変わらず、僕の胃袋を幸せで満たしてくれた。
最後なので親父さんとおばさん、娘さんにお花を渡して、お礼を述べる。
本当に美味しい料理ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。
そんなわけで、この駒屋への想い、みんなの駒屋への想いをまとめておきたいと思う。
さよなら!駒屋さんー! |ちこのアロマ館
http://blog.ma-yu.jp/?eid=961916
こやつの半分は駒屋で出来ている。
http://blog.ma-yu.jp/?eid=961922
駒屋さんが閉店 |ちっくんのポジポジ便り
http://chikkun.hamazo.tv/e3868182.html
餃子ラーメン駒屋さん9月末日閉店。 - セプティモエルム
http://boutique-elm.com/blog/archives/39001
赤電車男NEO:『入野スタンダード』???(駒屋)
http://red.ikamaika.net/e491354.html
http://www.e-shops.jp/local/nsh/5621399805.html
20年以上、通い続けた馴染み深い、しかも美味しいラーメン・中華丼・炒飯等々が、9月いっぱいで閉店するそうで食べられなくなるのが寂しい限りです。