今日は山中教授のノーベル賞祭だった。
その中で一番関心したのが、山中教授の発想の転換に関する部分だった。
iPS細胞を作るために、皮膚細胞に4つの遺伝子を入れなければいけない。
その4つをどう突き止めたのか。ここが正に研究のキモだったのだと思う。
そもそも遺伝子は2万近くある。
その中でもiPS細胞を作るためには、24の遺伝子が関係しているのではないか、というところまで彼は突き止めた。
しかし、その24の遺伝子の中から、遺伝子がいくつ必要で、どの遺伝子なのか、どの組み合わせであれば、成功するかは分かっていなかった。
もし、力任せに実験すると、
24C1+24C2+24C3+.....+24C23+24C24=天文学的数字
という風に、天文学的な回数の実験をしなければいけない。
実験用の試薬が余っていてもったいないと、偶然に24個すべての遺伝子を入れて実験すると、なんとiPS細胞ができた。
そこで山中教授は発想を転換した。
24の遺伝子から一つづつ抜いていく方法をとったのだ。1つ抜いた23個の遺伝子で実験をし、もしもそれでiPS細胞ができなければ、抜いた1つの遺伝子が必須であることがわかる。逆算によって、天文学的な実験の回数ではなく、数十回という実験回数に減らしたのだ。
と、ワイドショーに呼ばれていた慶応大学の教授がコメントしていた。(記憶違いがあったらすみません。だいたいこんな感じだったと思います。)
もう僕は単純に感心してしまった。
もちろんこれだけが山中教授の凄さではないし、それまで積み上げてきたものがあるから、最後そういう場面に出会ったのだと思うけれど、そういった発想の転換がアメリカや他の研究者との開発競争に勝てた要因の一つではないだろうか。
研究者にはならないけれど、研究がんばろうかなという気分にしてもらったニュースだった。