ゆとりSEですがなにか

忘れないようにメモしてます。

森口氏を批判する前にマスコミは自己批判すべき

iPS細胞の臨床試験成功と発表して、でもそれが本当かどうか疑わしい森口氏が取り上げられている。

ニュースでは彼の記者会見で、うそついたんですか?!と詰め寄る記者たちは正義の味方で、森口はうそをついた極悪人という構図が見て取れる。

さらに森口氏の過去の経歴や今住んでいるアパート、流動的な職歴などを一緒に報道し、さびしい実力のない研究者が妄想で嘘をついた、というストーリーをそこはかとなく感じさせる。

 

でも問題の本質は、森口氏がうそをついたかどうかではない。マスコミが誤報を流したということだ。

 

一億人近くの人口がいれば、奇人変人はいるし、虚言癖の人間がいたっておかしくない。そんな個人をマスコミが取り上げても社会的な意味はない。

大体、森口氏のアパートの家賃が6万円である事と誤報を流した事に何の関係もない。

取り上げるべき問題は、個人の人間性ではなく、誤報を流してしまった組織、制度の問題なのだ。

 

なぜ読売新聞の記者は裏取りをしなかったのか、それをチェックする体制はしかれていなかったのか、科学者とマスコミの関係はどうか、過去の科学記事の信ぴょう性はどうか、学会によって論文の位置づけは違うのでそれを門外漢の方にも理解できるような制度はなかったのか、などなど、これらこそ視聴者が知りたいこと、報道すべきことだと思う。

 

読売新聞は記者会見をして、他社はそれを報道すべきだと思う。